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判例時報 2023年8月1日号 (No.2557〔評論 No.773〕)
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<最新判例批評>
金子 友裕 福重 さと子 村上 裕章 加藤 克佳
◆判決録◆
<行 政> 1件
<民 事> 2件
<労 働> 1件
<知的財産権>1件
<刑 事> 3件
◆目 次◆
◆判決録◆
【行 政】
◎健康保険組合が被保険者に対して行うその親族等が健康保険法(平成24年法律第62号による改正前のもの)3条7項各号所定の被扶養者に該当しない旨の通知は、健康保険法189条1項所定の被保険者の資格に関する処分に該当するか(積極)
(最三判令4・12・13)
【民 事】
○市民病院の担当医が吸引分娩により出生児(娩出された胎児)に低酸素性虚血性脳症による脳性麻痺を生じさせた医療事故につき、同児と同児の両親からの前記病院の開設・運営者に対する損害賠償請求について、帝王切開移行へのダブルセットアップを怠った過失などはないとして請求を棄却した原判決を、控訴審において維持した事例
(名古屋高判令3・2・18)
▽不動産売買の仲介等を業とする者から、土地を取得して事業用借地権を設定することにより収益を得ることを提案され、前記仲介業者らの仲介により、土地所有者から土地を購入する契約及び事業者を借地権者とする事業用借地権設定契約の覚書を締結した者が、前記事業者が地代の支払を開始する時期に関して前記仲介業者が誤った情報を提供したために前記覚書の解約を余儀なくされ、これにより損害を被ったなどと主張して前記仲介業者らに求めた損害賠償が認容された事例
(宮崎地判令4・3・22)
【労 働】
▽新人看護師が精神障害を発病して自殺したことについて、業務起因性が否定された事例
(釧路地判令4・3・15)
【知的財産権】
▽1 商品の形態が取引の際に出所表示機能を有するものではない場合における不正競争防止法2条1項1号にいう「商品等表示」該当性
2 独占的に約20年以上販売されたガスバルブが前記の商品等表示に該当しないとされた事例
(東京地判令4・12・23)
【刑 事】
○強盗殺人罪を否定し、殺人罪と窃盗罪の成立を認めた原判決を事実誤認により破棄して差し戻した事例
(名古屋高金沢支判令4・3・24)
▽起訴後勾留中の被告人に対し、DNA採取への協力を働きかけたこと及び被告人が弁護人への接見を求めたのにこれに応じなかったことが、被告人の人格権並びに被告人及び弁護人の接見交通権を侵害し、国家賠償法1条1項の適用上違法とされた事例
(広島地判令4・3・23)
▽少年法62条2項2号に該当する事件を検察官に送致した事例
(大阪家決令4・8・5)
──◆判例評論◆──
【目 次】
<最新判例批評>
12 1 将来の転売を目的として購入したマンションに係る課税仕入れが消費税法30条2項1号の「課税資産の譲渡等のみに要するもの」に当たらず、同号の「課税資産の譲渡等とその他の資産の譲渡等に共通して要するもの」に当たるとされた事例
2 確定申告における消費税の申告額が過少であったことにつき、国税通則法65条4項にいう「正当な理由」があるとはいえないとされた事例
(東京高判令3・7・29)
金子友裕
13 普通河川の敷地の占用に関する不許可処分について、市長は裁量権の行使に当たって事業の公共性・公益性を考慮することができるとして、裁量権の逸脱・濫用はないとした事例
(東京高判令3・4・21)
福重さと子
14 宮城県公務災害補償文書提出命令事件
(仙台高決令3・5・31)
村上裕章
15 原審が被告人質問を実施したが、被告人が黙秘し、他に事実の取調べは行われなかったという事案につき、第1審が無罪とした公訴事実を原審が認定して直ちに自ら有罪の判決をしても、刑訴法400条ただし書に違反しないとされた事例
(最一決令3・5・12)
加藤克佳